J-REIT(ジェイリート)は日本の不動産投資信託と呼ばれる金融商品です。
REITは株と何が違うのか、不動産と聞いて怪しいなと疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、REITとはどういったものなのか、メリットやデメリットと合わせて投資を行った経験がない人に対してもわかりやすく説明いたします。
J-REITとは
J-REITは不動産投資信と呼ばれ、投資家からお金を集め、その資金をREITの運用会社が不動産を購入して家賃収入などで上がった収益を投資家に還元する仕組みの金融サービスです。
不動産を取り扱っていますが、法律上は投資信託として扱われています。
少ない金額でホテルや商業施設、それから物流拠点などの物件を所有できるので人気があります。
ちなみに、REITの仕組みが始まったのが1960年代のアメリカで90年代に普及しました。そして、日本には2001年に上陸しました。J-REITのJは日本の意味です。
特徴!法人税がかからない
J-REITは利益の90%超を分配すると、法人税がかからないという特徴があります。
通常の会社であれば法人税や所得税を納めなければなりません。しかし、J-REITは法人税がかからないので高配当であるというメリットがあります。
Jリートがおすすめしないと言われる理由
Jリートがおすすめしないと言われる理由は以下です。
- 元本保証がない
- 分配金が減額・停止する可能性がある
- 金利変動の影響を受ける
- 流動性が低い
- 手数料が高い
- 不動産市況の影響を受ける
- 個別リートのリスク
それでは順番に解説します。
元本保証がない
Jリートは投資信託の一種であり、元本保証がありません。
つまり、投資した金額が必ず戻ってくるわけではなく、場合によっては損失を被る可能性があります。投資は常にリスクが伴うものであり、Jリートも例外ではありません。
分配金が減額・停止する可能性がある
Jリートの分配金は投資法人の収益によって支払われます。
そのため、景気悪化や空室率の上昇などで収益が悪化すると、分配金が減額されたり停止されることもあります。安定した収益を期待している投資家には注意が必要です。
金利変動の影響を受ける
Jリートは多くの場合、借入金を利用して投資を行っています。
そのため、金利が上昇すると、利息負担が増加し、収益が減少する可能性があります。金利変動の影響を受けやすい点もリスクの一つです。
流動性が低い
Jリートは株式と異なり、売買が比較的難しい特徴があります。
特に市場環境が悪化した場合、希望する価格で売却できない可能性もあります。流動性の低さは、投資の自由度を制約する要因となります。
手数料が高い
Jリートには購入手数料や信託報酬などの手数料がかかります。
これらの手数料は投資リターンを押し下げる要因となり、長期的なパフォーマンスに影響を与えます。手数料の高さもデメリットの一つです。
不動産市況の影響を受ける
Jリートは不動産市況の影響を受けやすいという特徴があります。
景気悪化や災害などの影響で不動産価格が下落すると、Jリートの価格も下落する可能性があります。不動産市場の動向に敏感である点も考慮すべきポイントです。
個別リートのリスク
Jリートには個別リートによってリスクが異なります。
投資対象となる不動産の種類や立地、投資法人の経営状況などを十分に調査する必要があります。個別のリスクを理解し、適切なリサーチを行うことが重要です。
J-REITのメリット
J-REITのメリットには以下のようなものがあります。
- 少額から投資可能
- 株式の売買と同じように取引可能
- 専門的な知識は不要
- 分散投資が簡単に可能
- 高配当である
それでは順番に解説します。
少額から投資可能
J-REITは数万円から投資が可能です。
一般的に不動産投資は、数百万円必要です。物件を購入して不動産事業を行うことになるので、まとまった資金がいります。
しかし、REITでは、投資家からお金募って物件の運用を行うため、投資家が出す金額が少額であっても多くの人からお金を集めれば大金になるので、最初からお金が必要なわけではありません。
気軽に不動産投資を行えるのがJ-REITの特徴です。
株式の売買と同じように取引可能
J-REITは上場しているので、企業の株を買うのと同じように取引が可能です。
特別な準備を行う必要はなく、インターネットの証券取引サイトでJ-REITを簡単に購入して不動産投資ができます。
専門的な知識は不要
J-REITに専門知識は不要です。
不動産投資を行うとなると、さまざまな知識が必要になってきます。しかし、J-REITの運用は専門家が行うので不動産の細かなノウハウや知識は不要です。
維持管理や賃貸の募集は大変な作業ですが、J-REITには必要ありません。
分散投資が簡単に可能
J-REITは分散投資が簡単に可能です。
費用と労力のかかる不動産投資であれば、リスクヘッジとして分散投資を行うのは大変です。
しかし、J-REITは運用会社の銘柄も選べますし、運用会社自体も多くの物件を所有しているのである程度のリスクヘッジができます。
高配当である
J-REITは法人税がかからないので、その分高配当になります。
もちろん、通常の株式の方が高配当な場合もありますが、J-REITの配当の高さも知っておいたほうがいいでしょう。
J-REITのデメリット
J-REITのデメリットには以下のようなものがあります。
- 不動産全体の影響を受ける
- 金利の上げ下げの影響を受けやすい
- 自然災害リスクがある
- 大きくリターンを得られない
- 情報が少ない
それでは順番に解説します。
不動産全体の影響を受ける
不動産業界の影響をJ-REITは受けやすいです。
不動産業界には、物件の売り手と買い手の需要と供給の波があります。このあたりは株式の相場とは違う波がある可能性があるので気をつけなければならないポイントのひとつです。
金利の上げ下げの影響を受けやすい
J-REITは金利の影響を受けやすいです。
J REITは資金調達の手段のひとつとして、金融機関から借入を行うこともあります。金利が上がると、資金調達や貸し出しの賃料などにも影響する可能性があります。それが回って配当金にも影響を及ぼすでしょう。
自然災害リスクがある
J-REITは株式以上に自然災害のリスクを受けます。
たとえば、新型コロナウイルスが蔓延してコロナショックとも呼ばれる経済活動停滞がありました。これにより株式相場は下落しました。
一方のREITでは、オフィス需要が下がって暴落するなど、また違った要因で下落するかもしれません。
特にJ-REITであれば、日本国内の自然災害である津波、地震、台風といったリスクを受ける物件がポートフォリオに組み込まれている場合も下落する可能性が高いでしょう。
大きくリターンを得られない
J-REITをおすすめしない理由のひとつとしてよく取り上げられるのが、大きくリターンを得られないことです。
通常の不動産投資であれば元手が大きいのでリターンも大きくなります。しかし、J-REITは少額で始められるのでその分、大きなリターンを得られないというデメリットもあります。
また、REITは値動きが激しくないので、値動きを狙ってリターンを得るのも得策ではありません。
情報が少ない
J-REITは一般的な株式投資に比べて情報がまだ少ないです。
J-REITを第一にして投資活動を行っていたり、初心者にJ-REITを解説する講座などが少ないので学ぶ機会も多くありません。
投資の際に参考にできる指標がないので、少し戸惑ってしまうかもしれません。
Jリートを購入する前に確認すべきこと
Jリートを購入する前に確認すべきことは以下です。
- 自身の投資目的やリスク許容度の理解
- メリットとデメリットの比較検討
- ファイナンシャルプランナーへの相談
それでは順番に解説します。
自身の投資目的やリスク許容度の理解
Jリートは安定的な収入を得られる可能性がありますが、元本保証がありません。
投資を始める前に、まず自身の投資目的やリスク許容度を明確に理解することが大切です。例えば、長期的に安定した収益を求めるのか、それとも短期的な利益を目指すのかによって、適切な投資商品は異なります。
メリットとデメリットの比較検討
Jリートのメリットとしては、安定した分配金が期待できる点が挙げられます。
しかし、先に述べたように元本保証がないため、損失を被るリスクもあります。メリットとデメリットをしっかりと比較検討し、自分にとって最適な投資商品かどうかを見極めることが重要です。
ファイナンシャルプランナーへの相談
投資に関する知識が不足している場合や、自分に最適な投資商品がわからない場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。
専門家のアドバイスを受けることで、自分に合った投資商品を見つける手助けとなります。また、Jリート以外にも様々な投資商品がありますので、多角的な視点から検討することができます。
まとめ
今回はJ-REITについて解説しました。
項目 | |
---|---|
メリット |
|
デメリット |
|
J-REITは少額で不動産投資を行えます。配当金が株式より高いことが魅力でもあります。
しかし、その一方で株式投資に比べて、経済以外の自然災害などの影響も受けることがあるのがJ-REITです。
ぜひ、この機会に参考にしてみてください。