「日本の給料は上がらない」と言われています。
たしかに、日本で働いていると、新卒の給料は安いですし、働いていても手取りで見たら生活費に見合ってないと思うことがありますよね。
世界的に見ても、先進国なのに日本は給料が安いとも言われるようになってきました。データを見ても1997年から日本の給料はほぼ横ばいで上がっていません。
そこで今回は、日本の給料がなぜ安いのか、給料が上がらない理由について解説します。
なぜ?日本の給料が上がらない理由5つ
日本の給料が上がらない代表的な理由は以下の通りです。
- 賃金を上下することが簡単ではないから
- 労働生産性が低いため
- 雇用の流動が少ないから
- スキルアップを行なっていない
- 物価が上がらないため
それでは順番に解説します。
賃金を上下することが簡単ではないから
労働者の賃金を上げたり下げたりすることは容易ではありません。
雇用を行う側から見ると、人件費になる労働者の賃金は低いに越したことはないですが、一度上げると下げられないというのが給料を上げられない心理的なハードルになります。
景気がよい時に流れで賃上げを行なったとしても、景気が悪くなって賃下げを簡単に行うことはできません。そのため、景気が悪くなる時を考えると雇用する側はためらいがちになります。
もちろん、法律的に倒産寸前でなければ賃下げを一方的に行えば違法です。しかし、賃金の上げ下げができれば、景気が良い時に1万円月収が上がって、景気が悪い時に元の月収に戻ったというようなことも可能になり、トータルで見ればプラスになる可能性があります。
労働生産性が低いため
決まり文句のように言われていますが、日本の労働生産性が低いから給料が上がらないとも言われています。
経済学的には、「従業員一人当たりの付加価値額」を指しますが、簡単に言えば労働者が生み出せる成果のことです。たとえば、7時間働いて1つのプロジェクトをこなせる人よりも、3つこなせる人の方が労働生産性が高いです。
日本は、いくつかの理由で労働生産性が低いです。
- IT化を行なっていない
- 非効率な人員配置を行なっている
- 無駄なプロセスが多い
パソコン上のやり取りで完結できることを、紙に印刷したり手書きをしたりするなどIT化が遅れていることがあります。
そして、「その仕事に多くの人はいらないでしょ」という場面があるように、配置する人数を誤って、手持ち無沙汰の人をムダにしています。
また、無駄な会議、上司の指示待ちなど不必要な企業文化が存在しているので、労働生産性が低いです。
雇用の流動が少ないから
日本は雇用の流動が少ないと言われています。終身雇用制の一昔前に比べて雇用は流動化していますが、まだ少ないです。
そして、転職理由も「今の職場の人間関係に問題があるから」などネガティブな要因が多く、「転職した方が給料が高くなる」というポジティブな転職環境ではありません。
実際に転職すればするほど給料が上がるというものではなく、『求職 トレンド調査』によると転職した人の2割程度しか所得が上がっていません。所得アップにつながる雇用の流動性が今後の日本の労働市場に大きな意味合いを持つでしょう。
スキルアップを行なっていない
日本の社会人はスキルアップを行なっていません。
厚生労働省の『就労条件総合調査』を見ても、企業側が労働者に対して職業訓練などスキルアップにお金を使うことは少ないです。むしろ減っています。スキルアップすればするほど、労働生産性は基本的に高くなりますが、これができていません。
また、海外では社会人が大学院に通うことも珍しくありませんが、日本ではまだ自己投資を行う人が少ないです。こうした自分のスキルアップができていないことも要因のひとつです。
物価が上がらないため
日本の物価は世界的に安いと言われています。特にサービスや外食に対する物価は上昇していません。サービス産業や外食産業は多くの人々が働くところなので、影響を受けます。
もし、元のサービスや飲食の価格が上がればそれが売り上げの増加となり、最終的に賃金アップになるでしょう。
しかし、そうしたことが起こっていないのが日本の問題です。値上げで消費者が離れていくといった考え方が日本には根強いです。
ちなみに、毎月一定の金額をもらう年金受給者であれば物価が上がらないほうが楽な暮らしができるので、高齢化した日本の負の側面とも言えます。
まとめ
今回は日本の給料が上がらない理由についてご紹介しました。
- 賃金を上下することが簡単ではないから
- 労働生産性が低いため
- 雇用の流動が少ないから
- スキルアップを行なっていない
- 物価が上がらないため
この他にもさまざまな要因があって、それらが結びついて日本の給料上昇はストップしてしまっています。
個人で変えられることは、スキルアップくらいしかないので、今すぐ自己投資を行い自分のスキルや経験にマッチした企業に転職するのが給料を上げる1番の近道です。
ぜひ、参考にしてみてください。