みなさん、こんにちは。経済の勉強を頑張っていますか?
日本は失われた20年と言われ、経済が停滞する時代をずっと迎えています。一方で世界経済はインフレが大変です。
日本経済はなぜインフレにならないのでしょうか?また、今後インフレになることはあるのでしょうか?
そこで今回は日本経済とインフレについてご紹介します。
日本はインフレとデフレのどっち?
日本はデフレ経済です。
- インフレ:モノの値段が継続的に上がること
- デフレ:モノの値段が継続的に下がること
日本では、バブル経済が崩壊以降、インフレ状態ではなくモノの値段が上がっていません。
しかし、現在では、不況下でも物価が上がる、スタグフレーションという悪い経済状況に直面しています。
日本のインフレ率
日本のインフレ率は2022年4月時点で0.98%です。過去10年、大体0%から1%前後を推移してきました。
ちなみに2020年は-0.03、2021年は-0.26というインフレ率でした。
日本経済がインフレにならない理由
日本経済がインフレにならない理由は以下の通りです。
- お金が貯蓄に回って使われていないこと
- 人口減少で需要が減っていること
要するに景気がよくならないから、インフレになりません。
景気がよくなれば収入も増えるので、お金を使うようになりモノの値段も上がります。
しかし、それは起こっていないのです。
お金が貯蓄に回って使われていないこと
日本人がお金を使わずに貯金をして溜め込むのにはさまざまな理由がありますが、1番大きな理由は「将来が不安であるから」です。
もし、これから収入が上がっていくことが予測できれば、お金を使っても使った金額以上返ってくることが見込まれます。しかし、日本では収入が上がると思っている人は少ないのではないでしょうか。
そうであれば使うよりも溜め込んでおいた方が将来のためになります。
一方で企業においても同じで、少子高齢化などで日本経済の先行きが不透明なので、設備投資など未来のためにお金を使おうとしません。
このようにお金を溜め込んでいるのです。
人口減少で需要が減っていること
日本で人口減少が起こっていることもインフレにならない理由のひとつです。
人口が減少すれば、若い働き手がいなくなるので、経済活動できる人も減ります。そうして、経済全体が縮小します。
また、企業にとっても人口減少で経済が悪くなることが目に見えているので、将来のために投資などを行いません。
日本のインフレの歴史
日本の歴史を遡ると、過去にインフレを何度も経験しています。
- 江戸時代のインフレ
- 江戸末期のインフレ
- 戦後のインフレ
- オイルショック後のインフレ
- バブルのインフレ
日本が経験したハイパーインフレはいつ?
日本は戦後すぐにハイパーインフレを経験しました。
日本は太平洋戦争に負けたことによって、貨幣を増刷して兵士の引き上げなどといった費用を賄う必要がありました。戦争で生産設備が破壊されていて物が作れず、需要が供給を上回っていました。
1935年の物価の値を100とすると、1949年には2万800に膨らみます。
そこで当時のGHQは、ドッジラインという経済政策を打ち出します。
これは当時の日本の吉田茂内閣が打ち出した経済安定9原則に沿った内容でした。
- 真に総予算の均衡をはかること
- 徴税計画の促進強化
- 信用の拡張の厳重な制限
- 賃金の安定計画の立案
- 物価統制の強化
- 貿易と為替統制の強化
- 輸出向け資材配給制度の効率化
- 国産原料・製品の増産
- 食料集荷の効率化
そして、ドッジラインの内容は以下の通りです。
- 復興金融金庫(政府がお金を無限に借りれるようにすること)の停止
- 政府の財政支出の削減
- 大幅な円安にする(1ドル360円)
特に、財政支出の削減などで日本円の通過量を減らしたことによって、インフレが止まりました。
日本経済が今後インフレになる見通し
日本経済が今後インフレになるという見通しは立っていません。
なぜなら物価が上がることになるベースの賃金が上がらないからです。賃金が上がれば使えるお金も増えて物も値段も上がりますが、そうなりません。
賃金を簡単に上げてしまうと、会社側は人件費が高くつくので人を雇いたくないという方向に動いて失業率が増加します。そのため、その賃金上昇のバランスが大切なのです。
ちなみに、大和総研によると2023年以降、労働力不足によって賃金も上昇していくだろうとも言われています。
まとめ
今回は日本経済がインフレにならない理由についてご紹介しました。
人や企業がお金を使わないのと、人口減少で需要が減っているのが大きな要因です。
また、日本は過去にインフレを経験しており、GHQのプランで乗り切ってきました。
ぜひ、参考にしてみてください。